先日、お客さんから紅茶についてレクチャーを受ける場面があった。

たまたまその日は二日酔いでもあったのか、紅茶の話題を振られた。

顔色も悪かったのだろう、本当に紅茶を出していただくとは思わなかった。

二日酔いに効果があると言われ、その気になり飲ませていただく事になった。

ティーポットの底に、生姜を切り刻んだものを入れて、フィルターの中の

茶葉にお湯を掛けてから５分間のひとときを待った。

白いティーカップに注がれた紅茶の色合いは綺麗な琥珀色に見えた。

濃い目の色合いとは対照的に、すっきりとした飲み味に感動してしまった。

丁寧な説明と手の込んだお茶の入れ方を初めて見聞した。

紅茶と言えば、リプトンのティーバッグしか知らなかった口なので

恐縮ばかりしていた。

その後は茶葉の話題になり、それがアッサムという名の銘柄と教えてくれた。

次の休日、もう一度味わいたくなり寝癖も直さず急いで電車に飛び乗った。

教えていただいたお店に行き、同じ名の茶葉を購入してみた。

初めて店員さんからお楽しみ下さい、なんて洒落た事を言われた。

そして、購入した商品の栞にはこのような言葉が添えられていた。

敬意をもって淹れるとき、必ずお茶は応えてくれます

きっとお茶の世界も奥深く、仕事と同じ道理も働いているのだろう

帰りの電車の中、繰り返し呟いてみる。