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■ 古家のお仏壇

2018-07-24カテゴリ:

 突然、私と年恰好の似たような中年男性が来店された。
要件を伺うと、戸田市内に存する実家の処分の事についての話だった...

 ご両親を既に亡くされ、数年間は空き家のままになっていると言う。
ご実家は既に建築後60年以上が経過している平家の古家だ。

 本人は、さいたま市内に戸建て住宅を所有され、居住している。
戸田市内の実家については相続登記も完了しており、解体の見積まで複数
取得されて、他の不動産業者にも同様の相談を持ち込んでいらした。

 処分と言っても、ご子息がおり、将来はそこに家を構える可能性も
あるとの親心からか、売却は視野に入っていないようだ...

 古家を解体した後、更地で何らかの利用方法はないか、という相談になった。
地図で場所を確認すると、角地でもあり立地は申し分なかったが、
面積17坪という狭小な土地でもあり、一瞬迷いも生じた。

 即断を避けるため、現在の古家を改修して貸家として貸付ける可能性も
示唆してみたが既に雨漏りが生じていて、改修する気持ちはないとの事だった。

 今思うと、所有者としてこのまま古家である実家を放置させたまま、
朽ち果ていく様に耐え難い気持ちだったのかも知れない...

 更地にした暁には当社が借受けさせていただく事になり、古家解体の日、
最後まで悩まれていたが、お仏壇とお位牌を取りに来ていただいた。

 当初、お仏壇は中身を空にして一緒に解体するとの意向があった。
しかし、念のため詳しい方に聞いてみると、空になったお仏壇でも
慰霊がすんでいるとの見解もあり、報告したところ今回の措置となった。

 結局、お位牌も含めて今のご自宅に持ち帰られると言う。
これで再び、ご両親らと一緒になれる事に繋がったとしたら・・・
金額の大小ではなく、思い出に残りそうな契約の一つになった。

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