大道無門
2019-12-10|カテゴリ:
昔、ある人から標題の四文字が墨で描かれた、一枚の色紙をもらった。
分かるようで、分からない...
意味不明瞭な色紙を20数年間、自室の一隅に貼り付けていた。
しかし今年の晩夏、その色紙をくれた人が亡くなった。
色紙の意味を尋ねもせず、調べもせず、ただ無常にも月日が
流れ去ってしまったようで、真っ白だった下地が焼けかけている。
その後、不思議な事があるもので、たまたま買った町の古本の中に
色紙の意味合いの記述が出てきた事があった。
本のタイトルから程遠かったが、禅僧に関する文献が出てきたページの中に
趣旨の一端を伺い知るような事が初めて出来たのだ。
一瞬、積年の宿題が解けたような気持ちになったが、それにしても
これに巡り合うまで随分と時間がかかったものだ、という思いの方が強い。
このような事を含め、その人からみたら最期まで至らず、
不肖なところがあった事は否めない。
大道無門 無門の門
更に調べたら、その意味合いは予想していたものより広くて、深い。
ただ、真理という境地まで、遥かに遠いようなことだけわかった。